面接の場で「退職を決意した理由は人間関係だ」と伝えるべきか?

人間関係のトラブルが原因で退職や転職する場合、面接で話すべきか?

あなたが転職を希望した理由や、前の職場を辞めた理由は、人間関係のトラブルが原因かもしれません。

 

はたしてそのことを応募先の企業に話すべきでしょうか?
答えは、言わない方がベスト。
言うとしても表現方法を考える、です。

 

面接先に高校の先輩がいた

ある会社に面接に行くと、まったくの偶然ですが、採用担当者が私の高校の先輩に当たる人でした。

 

10歳年上なので、直接の接点はなし。
しかし、同窓生ですから、大変打ち解けて和やかに話をできましたし、面接では好感触を得ました。
高待遇のところで望み薄だと思っていたのですが、もしかしたら採用されるかもしれない、と喜びました。

 

しかし、結果は不採用。
残念だとは思いましたが、当然だと納得はしました。
その先輩ではなく、多分別の社員から反対されたのだろう、と思ったため、先輩に対して怒りは湧きません。

 

先輩とばったりと出くわす

それから数ヶ月して、東京で県人会に参加したら、私を落とした会社のその先輩に偶然出くわしました。
目が合った瞬間、さすがに気まずいなと思ったのですが、私の方から声をかけ挨拶をしました。
その後、
「君を採用させたかったんだけど、力およばなくて。ごめんね」
「いやぁ、自分もスキルが足りないのは分かっていたので。ありがとうございます」
ってな話をしました。

 

それからは、お互いの共通の趣味(野球の話)で話がはずみました。
アルコールもお互い入っていたので話は弾み、後日、プライベートで飲みに行くことになりました

 

プライベートだから教えてもらった本音

後日、改めて居酒屋に入り、地元の知り合いの話で盛り上がりました。
採用面接のことについては、あえて触れないようにしていました。
今更話してもしょうがない話ですしね。

 

ところがアルコールが回ったころ、先輩から話を切り出してきました。

先輩「この前の面接の話だけどさ、君に一個だけアドバイスしていい?」

私「何でしょうか」

先輩「このアドバイス、きつく響くかもしれないけれども、大丈夫か?」

私「大丈夫です。転職活動中なんで、どんなアドバイスでももらったら嬉しいです」
私がそう言うと、先輩は話し始めました。

先輩「君な、会社を辞めたい理由として人間関係のトラブルを挙げたでしょ。あれなんで?」

私「この年での転職ですから、正直に話した方がいいじゃないですか。自分をよく見せて、ミスマッチが起こってもイヤですから」

先輩「うん。君のそういう考え方、俺は好きだ。でもね、他の人には君に特に好感なんかもっちゃいない。だから、単にマイナスにしか響かない発言だった」

私「すみません」
先輩「怒っているんじゃない」
私「マイナスになる、ということは覚悟していました。面接マニュアルも何冊か読んでましたから、人間関係のトラブルを退職の理由にするな、面接の時に話さない方がいい、とどれにも書かれています」
先輩「じゃあ、なぜ?」
私「同じトラブルに出会いたくないから、事前にそのことを伝えておけば、人間関係に問題を抱えている職場だったら、向こうから断ってくれるじゃないですか。相手に対する悪印象よりも、そのメリットの方が大きいだろうと考えました」
先輩「その考え方は間違っている」

 

トラブルを抱えていない会社がトラブルの元を雇うか?

先輩「だってさ、今人間関係のトラブルのない会社が、人間関係のトラブルで辞めた人間を雇いたいと思うか? 人間関係のトラブルがない所っていうのは、性格のいい人が集まっているんだ。君の性格はちょっと癖があるじゃない。そのこと分かっている?」

私「まあ、それは分かっていますけど」

先輩「人間関係のトラブルは、相手が悪かったと私は判断した。でも、君が本当のことを話しているかわからないから、我々は裏を読もうとする。君がむしろトラブルのもとだった可能性を検討する。その検討のスキを、相手に与えてどうするの? 面接は、早く言えば他の候補者との戦いなんだよ。長所だけで戦うんじゃない。欠点を防御するのもまた戦術だよ。攻撃力がいくら強くても防御力が弱い敵は、すぐ潰せるだろ? それと一緒」

私「わかるんですけど」

先輩「今、トラブルを抱えていない会社は人事が優秀で、警戒心が強いことが多い。『この人が入るとトラブルを持ち込んでくるかもしれない』と少しでも思う人間は採用しない」

私「なるほど」

先輩「それに、どんな職場でも人間関係のトラブルってのは大なり小なりある。問題はそのトラブルをどうやって解決できたかなんだけど、君からは解決をしたという話がなかったよね」

私「そりゃ、解決していたら会社を辞める理由はないじゃないですか」
先輩「そこが勘違い。君は、それでも今の会社で何とか言ってるんだろ?」
私「我慢してますからね」

先輩「その我慢してるということを、もっと訴えた方がいいんだ。『今の会社で相性の悪い相手がいて、これだけ我慢をして、こう対応してる。でも、その状況が窮屈だ』とかさ。もっと言い方とか表現の仕方とかあるだろう。君にはその工夫がなかった」

 

先輩の小言はなおも続きました。

先輩「今、条件の良い求人を出せば、採用希望者は本当に多いんだ。早稲田や明治、東工大の学生がうちにバンバン応募してくる。求人倍率が高くなった、というけれども、それは募集をかけても人が集まらないブラック企業の求人を含めての倍率でしょ? 売り手市場だとか人材に困ってるとか言うけれども、良い条件を提示すれば、応募者は殺到する。それに、今は日本語がペラペラの中国人や韓国人の応募者も多いんだ。アジアからの応募者のやる気ってのはすごいし、彼らは自分のマイナスは一切言わない。もちろん我々はそれが分かってるから、割り引いて考慮するけれども、それでも欠点を『わかってほしい』と甘えてくる人間と、ポジティブだらけの人間では、どちらがバイタリティーがあると判断されるか、わかるでしょ」

私「……はい」
先輩「彼らと競争してるんだよ、もう、甘える年齢でもなかんべ」

 

自分をわかってもらいたい、というのは依存

その場では先輩に感謝はしましたが、帰宅してから寝付けませんでした。
猛烈に腹が立ちました。

 

しかし、言われていることは納得できる話ばかり。
先輩が私の為を思って話してくれたのはわかっています。
その先輩が私に内情を打ち明けるメリットでは何一つありません。
むしろ採用の裏側を話したことが知られたら、彼の立場は無くなるでしょう。

 

純粋な私を思っての助言。
少し経って、ようやく先輩に私は感謝するようになりました。

 

分からせるのがコミュニケーション

先輩から、私が甘えている、という指摘をもらってから、甘えについて自分なりに調べました。
甘えとは、依存心のこと。
そして、依存心がどれほど人をダメにするかを知りました。

 

今の時代、コミュニケーション能力がとても大切だと言われています。
そしてコミュニケーション能力とは相手にわからせる能力であり、依存と対局にあります。

 

相手に分かってもらいたい、とか、自分を許容してほしい、とか、相手に依存するのはコミュニケーションではありません。

 

だから、自分をわかってください、と面接官に依頼することは、コミュニケーション能力がありません、と告白するのと同じです。
コミュニケーション能力がない人間を企業が嫌うのも、当たり前でした。

 

「こういうタイプが苦手」と具体的に話す

私と同じように、人間関係のトラブルを次の会社に転職先に持ち込みたくない、と考えている人へ。

 

そのときの面接での話し方として、退職や転職の原因として話すのではなく、最後に要望、という形で、
「社員との相性は、職場の雰囲気を守るための大切な要素だと私は考える。そして、自分はどうしてもこういうタイプの人間が苦手であり、もしも御社にそういうタイプの人間がいるとすると、会社の和を乱す可能性があるので、判断の材料としてほしい」
と一言申し添える、なんてどうでしょうか?

 

その会社に、そのタイプの人間がいなければ「ふーん」で終わるかもしれません。
(いたとしたら、まずいな、ということで採用されないでしょうし)
それで、トラブルを未然に防げる可能性はあります。

 

ただ、これは賭けでもあります。
その一言が原因で採用が沙汰止みになる可能性もあります。
本当は、無駄なバクチは打たないほうがいいのです。

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